カチナ?カチーナ??

以前は「カチナ」と表記しましたが、なぜかここ数年「カチーナ」という表記が主流になってきたようです。この「カチーナ」という表記はアメリカで一般的に知られている「kachina」表記の発音から来ていると思われます。元々は「チー」の部分は伸ばさなかったはずですが、アメリカ人は2番目の母音にアクセントを置いたり伸ばしたりする発音が好きなようでこのようなイントネーションになってしまったと考えられます。そもそもネイティブアメリカンの使う言葉の表記は、白人が入植した際に耳にした言葉をローマ字に置き換えたものですので単純にローマ字読みでいいはずです。仮に「チー」の部分を伸ばすのであれば「kachi-ina」や「kachiina」といった表記になるはずですが実際には「kachina」という表記ですので「チー」と伸ばさないのが正解と言えるでしょう。

また、ホピ族の間では「kachina」表記は使われません。ホピ族では「katsina」と表記し、発音は「カツィナ」若しくは「クツィナ」といった感じになります。(古い書籍では「katcina」と表記されることもあります。)ホピ族にとっては「kachina」とはナヴァホ族などが作る偽物のカチナドールを差す言葉になります。従って実際には「カチーナ」という表記はホピ族にとっては好ましくない、屈辱的な表記になると考えられます。

白人のトレーダーはホピ族に対しても遠慮なく「カチーナ」と言い、大方のホピ族もそれに慣れていますが、私がホピ族と会話をする際は必ず「カツィナ」と発音し、書く場合も「katsina」を使います。 これは礼儀であり彼らに対する敬意の現れだと考えています。
こういったことから当店では「カチナ」表記にこだわっており、また正しい表記を広めていく必要があると考えています。

本物と偽物?
本物と偽物という表現を上記でしましたが、ここで言う「本物」の定義は「カチナ信仰がある人が制作したもの」ということになります。ホピ族は勿論ですが、その他にも多くの部族の中にカチナ信仰が根付いています。元々カチナはホピ族独自のものではなく、広い意味でのプエブロの人々に共通する宗教的なものになります。ホピ族の他にはズニ族アコマ族ラグナ族サントドミンゴ族サンタアナ族等多くの部族が同様の文化を持ち、その中でもズニ族ラグナ族は現在でもカチナドールを制作しています。

対して「偽物」とは何を差すのかと言えば「カチナ信仰がない人が制作したもの」ということになり、代表的なものはナヴァホが作ったカチナドールということになります。しかし、ナヴァホのカチナドールは安価で幅広いショップで売られており、多くの人の目にとまります。こういったことから「カチナ」や「カチナドール」という存在を世に知らしめる為に一役買っている一面もあるため、一概に悪者扱いはできない側面もあります。その他さらにナヴァホのカチナを真似した粗悪なものも一部の観光地で売られていますが、これらはカチナの特徴を全く備えておらず、もはやカチナドールではなく単なる変な木の人形と言えます。

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