KOKOPELLI


KOKOPELLIの起源

歴史上最古のココペリのモチーフは西暦750-850年頃のホホカムの陶器とされています。アメリカ中西部地域の広範囲にわたり様々な壁画が発見されており、これらは西暦1000年頃のものが最古とされています。様々な年代の様々な部族の中にココペリ(のようなもの)が存在していたためココペリの物語は数多く存在します。描かれるココペリの形態もまた多様で、角(触角)の数は2本から5本ぐらいまで存在します。古いものでは2本が多く昆虫の触角のような風貌になっており、恐らく昆虫を描いたものと推測されます。4本のものは4つの方角を表すと言われています。

一般的によく知られているココペリは猫背のフルート奏者です。豊作をもたらす農業の神様で雨を降らせ作物の成長を促進させてくれます。これは主にナヴァホに伝わるココペリの形状で、アメリカでも人気は非常に高く、様々なショップの看板やキャラクターにこのデザインが用いられています。国立公園のギフトショップでも数多くのココペリグッズが販売されています。当店のロゴマークもこのココペリをモチーフにし店長がデザインしています。

ホピ族やプエブロ系の種族の間では子宝の神様としても知られており、ムシヒキアブのカチナでもあります。背中の膨らみは猫背によるものではなく、子供が入った袋で女性に子供を配ると云われています。子供を望まない若い女性には嫌われているようです。カチナとしてのココペリはフルートは持っていませんが、カチナドールやシルバーアクセサリーの制作者の中には一般的に親しみやすいフルートを持ったスタイルで作る人も少なくありません。さらに別の話ではフルートの音色で女の子をナンパするという話もあります。背中の袋にはプレゼントが入っていて気に入った女の子に配るようです。また、吟遊詩人やペテン師といった意味合いも持っています。

一説によるとココペリは古代のアステカ族の交易商を表したものと言われています。彼らは背中に荷物を背負って南米から遥々アメリカ南西部までやってきました。また彼らは他の部族と接する際、友好を表現するためにフルートを吹きながら歩いていたと言われています。しかし、最初に知られたココペリのイメージはアステカ-アナサジの貿易が行われた時代よりも700-800年も前の為、これがココペリの起源とは考えられませんが、現在のココペリのスタイルに影響を与えている可能性は否定できません。

結論として、古代の昆虫(恐らくアブの系統)をモチーフにした壁画や陶器の図柄と、その後の文明で登場するカチナやその他の図柄などが合わさり現在の「ココペリ」が出来上がったものと考えられます。つまり本来は別々のものを描いていたのですが、後世の人類学者などが『角があり、猫背で笛のようなものを持っている(吹いている)形状のもの』をまとめてココペリと呼んでしまった、と言ってもいいかと思います。

KOKOPELLIの語源

kokopelliの「koko」は木の意味があり、ホピとズニの神を組み合わせたとも云われています。また「pelli」はホピとズニの砂漠のムシヒキアブという昆虫のことと云われています。このムシヒキアブは背中が丸く鼻が長いのが特徴です。実際にホピ族のココペリはムシヒキアブのカチナでフルートではなく鼻が長い見た目をしています。

より最近の説では「Kachina hump」カチナのコブ(背中にコブのあるカチナ)を意味しているというものもありますが、無理矢理こじつけたような印象を受けます。スペインの探検隊が最初に知ったのがホピの神「カチナ」だったためホピの呼び方が一般的に使われることが多いということです。

ココペリと同じような猫背のデザインは西暦1200-1400年頃のミシシッピーの工芸品で猫背の女性が描かれているものがあります。ココペリとの関連は不明ですが東の方まで伝わった可能性はあります。しかし、アメリカによくいる昆虫をモチーフにしたと考えるが自然でしょう。

別の呼び名 Kokopele
Kokopelli-mana or Kokopelmana (ココペリの奥さん) (Hohokam)
Kokopeltiyo
Kokopilau
Neopkwai'i (Pueblo)
Ololowishkya (Zuni)

KOKOPELLIの壁画

店長が撮影したココペリと思われる壁画。
kokopelli アリゾナ州フェニックスの郊外
kokopelli アリゾナ州セドナ近郊
kokopelli コロラド州
kokopelli アリゾナ州ペトリファイドフォレスト国立公園内