カチナの神話


カチナとホピ族との関わり

ホピの人々はこの世の全てのものにはフィジカルとスピリチュアルの2つの形態があると信じています。 " katsinum"という言葉は精神を意味し、"katsina"という言葉もここから生まれました。 (ホピのカチナドールは"kachina"ではなく敬意を込めて"katsina"と表記されます。)

カチナがどうやってホピの人々の前に現れたかという話は昔の(12世紀ごろと思われます)ホピの村から始まります。。。。。

干ばつと飢餓が何年もの間続きました。徐々に食料はなくなり人々が死に始めました。カチナ達はこの全ての望みが失われ苦しむ人々を見て哀れみました。カチナ達は人々のために食物を育て雨を呼び、祈りの力を使い病を治すため自分たちの姿を見せることを決心し、人間的な形に姿を変えホピの前に現れました。
人々は以前はカチナを恐れていました。その超自然的な力は不吉なものかも知れないと思い決して見ないようにし、武器を集め追い払う準備をしていました。しかしカチナは歌と踊りを用いて人々を清め、飢えている人に届けるための食料を生産し、病を治す手助けをし、さらにひからびた作物に雨をもたらしました。
カチナ達のおかげで人々は生き延びることができました。人々はカチナにとても感謝し、ホピの人々は彼らの部族の一部になれるように頼みました。そしてカチナとホピの人々は何年もの間この村でとなり合って暮らしていました。
しかし時が経ち人々は飢えることもなく生活できるようになったため、徐々に怠慢になりカチナの生き方を軽視するようになりました。畑には雑草が生い茂り、夫婦はふしだらになり、自分の面倒を見ることの出来ない老人達は忘れ去られ、子供は泣き叫んで汚れたまま放っておかれました。 ・・・そしてアドビ煉瓦の建物は崩壊し始めました。
カチナはホピとの生活の結果を見てホピの生き方を妨げたと感じ、去ることが最良の方法だと考えました。何が起ろうとしているかを悟った人々はカチナに留まるように説得しましたが、カチナ達は拒みました。立ち去る前にカチナはどうやって捧げものを用意するか、儀式の服装、歌と踊り、自然を超えた力を身に付ける方法をホピの人々に教えました。儀式が正確に行われた時のみ真のスピリットは雨を運び、収穫をもたらし、健康と幸せを世界中の全ての人に与えるため彼らの祈りをより高い神に届けてくれます。
これらの教えと共にカチナは自分達の住む聖なる山(現在のアリゾナ州フラッグスタッフ近くのサンフランシスコピーク近辺)へ帰りました。彼らは冬から春にかけて雪と雨をもたらし、季節を巡らせるため6ヶ月間ホピの人々を訪れることを約束し、作物の成長と収穫を確実にするために種を発芽させます。
この約束の通り、現在も冬至から夏至の時期までの約半年の間、様々なカチナの儀式がホピの村で絶えることなく行われています。

カチナは400ぐらい存在すると考えられていますが、ホピの人々にも正確な数は分かりません。