ホピをはじめとしたプエブロ族*には「4つの世界」という神話があります。 現在は「第4の世界」で第1〜第3までの世界は人間の身勝手な行動のために滅びてしまいました。 この神話を簡単に紹介します。参考書籍:Frank Waters著 Book of the Hopi 第1の世界 トクペラ(Tokpela):方角/西 色/黄 鉱物/金
最初の世界はトクペラと呼ばれる終わりの無い空間。創造主であるタイオワ以外何も存在しない。 始まりも終わりもなく時間も形も命もない。まず始めにタイオワは無限を有限に変え、 生命をもたらすためにソツナンを創った。 タイオワはソツナンに陸地と海、空気を創らせた。 ソツナンは生命を創る助手としてスパイダーウーマン[コクヤンウーチー] を創りだし、 スパイダーウーマンはさらにポクァンホヤとパロンガゥホヤの双子を創りだし、 生命に「音」と「動き」をもたらした。 役目を果たした双子は地球が安定して回り続けるようにそれぞれ北極と南極へ派遣された。 スパイダーウーマンは最初の人類を誕生させ、調和や創造主への感謝を教えたが、 言葉を話すことができなかった為ソツナンを呼び出し人種ごとに違う言葉を与えた。 最初の人類は増え続け幸せに暮らしていたが、次第にソツナンの教えを忘れ、尊敬の念を失っていった。 タイオワはこの世界を壊し世界を創り直すことにした。ソツナンの教えを守っていた僅かな人々は この世界の出口へ導かれ脱出することができた。 人々が脱出した後、タイオワはソツナンに世界を火によって破壊させた。 第2の世界 トクパ(Tokpa):方角/南 色/青 鉱物/ 銀 トクペラを脱出した人々は地下世界で蟻と暮らしていた。 やがて食料が少なくなってくるとソツナンが第2の世界を創り始めた。 陸地を作り水を撒き、全てが完成すると人々を招き入れた。 ソツナンは人々に教えを守るように言い聞かせた。 この世界には人々に必要なものは全て揃っていた。しかしすぐに人々はそれ以上を求め始めてしまった。 そして欲にかられた人々は遂に戦を始めてしまった。 ある日突然ソツナンが現れ、タイオワの教えを守っている少数の人々を避難させるように スパイダーウーマンに命じた。 スパイダーウーマンは第1の世界の時と同様に蟻の巣へ避難させた。 そしてソツナンは両極にいる双子に命じ、地球の回転をめちゃめちゃにさせた。 山が壊れ海に落ち、巨大な洪水が起こった。やがて氷の中に全ての命が閉ざされた。 これが第2の世界トクパの終わり。 第3の世界 クスクルツァ(Kuskurza):方角/東 色/赤 鉱物/ 銅 何年もの間、第2の世界は氷に閉ざされていたが人々は蟻の巣で平和に暮らしていた。 今回は食料に気を配り食べ過ぎないようにしていた。 ソツナンは双子に地軸を元に戻させ第3の世界を創り始めた。 海を造り山を置き動植物を創った。準備が整うと人々は蟻の巣から出て来た。 第1の世界ではシンプルに動物と暮らし、第2の世界では道具を作り家や村を造った。 この第3の世界では大きな街や国を造りあげた。 しかしこういった発展はタイオワやソツナンへの感謝の気持ちを薄れさせ忘れさせてしまった。 そして人々は再び戦争を始めてしまった。 このままでは教えを守っている人々の命が危ういのでソツナンはスパイダーウーマンに救出を命じた。 スパイダーウーマンは中が空洞になっている植物の茎の中に人々を避難させ、 水とコーンミールを入れ密封した。 これと同時にソツナンが世界を破壊するために現れた。 巨大な波が山を砕き大陸をばらばらにし、海に沈んだ。 人々が入った茎は長い間海に浮かび続けた。 スパイダーウーマンは蓋を開け中の人々を外へ出したがそこは第4の世界ではなく第3の世界の名残の水だけの世界だった。 人々は陸地を求めて日の出の方向へ長い旅に出た。 長い旅の末、人々は陸地を見つけた。そこは緑に覆われた美しい土地で長い時間その場所に滞在した。 しかしスパイダーウーマンは彼らにこう言った。「ここは第4の世界ではない。 ここで暮らすことはあまりにも容易すぎる。これではまたすぐに邪な考えを持ってしまう。 先へ進みなさい。より困難で長い道のりを行きなさい。」 人々は仕方なく旅を続けることにした。 スパイダーウーマンの役目はこれで終わったため、 ここからは自力で第4の世界を探すことになる。 東へ旅を続け、遂に大きな陸地を発見し上陸するとソツナンが現れた。 「よく辿り着いた。ここが準備していた場所だ。」 第4の世界 ツワクァチ(Tuwaqachi):方角/北 色/黄色がかった白 ソツナンは言った。「ここは第4の世界で完全な世界だ。 この世界は以前のように全てが美しいわけでも簡単な世界でもない。 高さも深さもあり、熱さも冷たさもある。自分達で選び世界を造り上げてゆけ。 助けが必要な時は神の声を聞け。」 こう言い残してソツナンは去って行った。 人々が歩き出すとハンサムな神マサウが現れた。彼は第3世界の管理をしていたが、 タイオワに対して尊大になってしまいこの世界の世話係を命じられた。 「今お前達はこの世界の西側の斜面にいるが、旅が終わったわけではない。 自分達の住む土地を探しなさい。」 マサウはこう言って見えなくなった。 人々は再会を誓いグループや氏族に分かれて移動を始めた。 こうして第4の世界が始まった。 それぞれの氏族は様々なルートを辿り、現在のホピメサ付近で再度集結することになる。 太陽氏族や蜘蛛、蛇、フルート等の氏族は北のルートを辿り、 オウムや鷹などの鳥系氏族は南のルートを辿った。 南へ行ったグループの一部は戻ってこずにアステカやマヤの祖先になったと言われている。
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